根本ひらくについて
根本ひらく
1933-2016
版画家根本ひらくは、若い頃は油絵、40歳過ぎから銅版画、60歳以降は木版画に没頭します。
定年後は自身の持つ版画技術を生かし、小学生や同好会仲間への版画指導を心の支えとして気の赴くままマイペースで創作に取り組みました。
作品には、身の回りの小さきもの名も知らぬものがしばしば登場します。「版画制作にとって大切なのは愛情を持って対象を見る眼」がひらくの信念でした。
ひらくはそれらを通して、戦争や紛争の無い、当たり前の日常の小さな幸福の大切さを、一心に一本一本銅版や木版に彫り込んで表現しようと試みたのです。
それは幼い頃失った友人や家族への祈りでもありました。