版画ギャラリーアトリエひらく

作品のモチーフ
「バラから野の花へ」

油絵「庭のバラ」

油絵「庭のバラ」

ある時、ひらくから
「若い頃はバラが好きで、自宅の庭で自ら育て、油絵の第一のモチーフにしていた。ところがバラにのめり込むほど日曜はおろか普段の日もバラの手入れに追われるようになった。そして見事に咲いたバラを切り、壺に入れいざそれを描こうとした途端に、2〜3時間で萎れ始める。匂いの強さも、花が開ききってから散るまでの醜が、何か恥じらいも無いように感じられ、次第にいやになってしまった」と聞かされたことがある。

 その後、ひらくの表現手法は油絵から銅版画へとシフトしていく。同時にモチーフはバラへの反動からか小さく可憐で匂いのない花が良いと思うようになり、特に野の花やクローバーなど野趣溢れる草花やころんとした素朴な味わいの木の実を好んだ。
「ひっそりと佇む草花や樹木のありのままの姿を忠実に描きたい」。
それを一心に細いニードルで何千、何万回も引っ掻いて仕上げていく銅版画特有の細い線で表現しようとした。実に楽しく淡々とした気持ちで一本ずつ丁寧に。細密な銅版画作品を見ていると、対象と対峙している画家ひらくの姿が思い出される。

銅版画「かごの花」

銅版画「かごの花」

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